「なんで子ども向けの曲を弾かないの??」
私は2018年から各地の小学校などに行って演奏を多くしてきました。そこではクラシックの有名な曲から誰も知らないような曲までを演奏してきましたが、その時にショックを受けたのは、有名な曲を弾いても知らない曲を弾いても子供達の反応は変わらない、むしろ聴いたことの無い曲に対して目を輝かせ、時には目をまん丸にして聴いてくれました。
この体験をしてから、私の考えはガラッと180度変わりました。
子どもにとっての有名な曲は確かにあるかもしれない、でもそれは全て大人が子どもにとって有名にしてきただけであって、国も文化も変われば全て基準が変わってくる。ポップスだって常にアーティストが新しい新曲を出して、それを子どもも大人も楽しんで聴く。なんでクラシックになると、子どもが知ってる曲を弾いてほしいと言われたりするのだろう。それであれば、どんなクラシック曲も大人が子どもに聴かせれば、それがその子にとっての「知ってる、有名な」曲になるのではないか。
そんな風に考えるようになりました。
「おでかけクラシック」のシリーズでは、毎回様々な楽器の奏者をお招きし、その楽器とヴァイオリンのオリジナル編成の曲をお届けしています。
アレンジ物を多く取り入れない理由は、クラシックの作曲家に対するリスペクトがあり、その作曲家が一番良いと思った編成で作られた曲をなるべく崩さずお届けしたいからです。